元小学校教員のわこです。
年末のひと仕事、それは「年賀状作成」。
中には年賀状はもう書かないという方もいらっしゃいますが、まだまだ日本には根強く残る風習ですよね。
社会人であれば、この年賀状の有無で今後のおつきあいが決まることもあり、社交術としても大事なものです。
ということで、今まであまり深く考えずに行っていた年賀状作成ですが・・・。
退職をきっかけに、私は年賀状に対する価値感が変わったんですね。
年賀状のことをちょっと立ち止まって考えてみた、という感じです。
今回は、退職する前と後で年賀状への思いが変わったよ、という話をしたいと思います。
200枚以上書いていた現職の頃

退職する前、私は毎年200枚以上の年賀状を書いていました。
毎年毎年年賀状を作成するのが苦痛で、年末にひーひー言いながら書いていたものです。
送り先は、担任した子どもやお世話になった保護者、地域の方・・・。
そして一番の送り先が、学校の先生たちです。
毎日会っているのに、同じ勤務先の先生には必ず年賀状を出すことが、初任時からの暗黙の決まりでした。
また、過去一緒に働いたことのある先生にも年賀状を出すので、年々枚数が増えることになります。
一番多かった時期で260枚!
そりゃあ20年も在職すると、このくらいの枚数になりますよね。
あ、特に親しい先生だけ出して、あまり関わりのない先生には出さないということはなかったですよ。
そんなことをすると、後々ちょっとしたトラブルになったりもしていたので、あえて全員に平等に出していました。
今考えるとなんですが・・・。
当時の私は、年賀状を全員に書くことで、みなに等しく愛嬌をふるまって安心していたんだと思います。
年始のご挨拶ひとつで、今後一年間のつきあいを保てるなら安いもんだ!とたかをくくっていたんでしょうね。
自分が全員に出すことで満足して、相手からいただくことにありがたみを感じることもなく、ただ書くだけの義務的な作業になっていました。
それと正直に話しますが、私はいただいた年賀状を見ることがほとんどありませんでした。(すみません・・・)
年賀状は交友関係を保つための道具。
自分が書いて送りつけるだけのもの。
そんな価値感でしかなかったのです。
200枚から20枚に減って愕然とした今年のお正月

昨年末、退職して初めての年賀状を書きました。
在職時にお世話になったお礼を兼ねていたので、関わったことのある方にはすべて出しました。
枚数にしたら、今までで一番多かったと思います。
多分300枚近くはあったのではないでしょうか。
年が明けて、ポストに入っている年賀状を見てみると・・・
なんと20枚しか届いていなかったのです。
「あれだけ書いたのに、なぜ?」という思いが抜けず、お正月からある種のショックを感じました。
人間関係は流動的なもの

20枚の年賀状を見て、悟ったこと。
もう自分と関わりのない人とは、年賀状の交友を保つ必要がない
多くの方が、私に対してそういう見切りをつけたんだなあと思いました。
そりゃあ当然ですよね。
退職した私とは、もう会うことはない。
ならば、交友を保つ必要はない。
だから年賀状を送るのをやめる。
いたって普通の流れです。
逆を言えば、仕事上のおつきあいって、それまでの関係だったんだなあと。
退職してしまえば、それまでどんなに親しくしていてもあっさり縁が切れるのだなあと、身に染みて感じたのです。
私はそれまで、年賀状さえ毎年出していれば、ずっと交友は保てるものだと思っていました。
だけど、もう関わりがないと思う人には愛嬌をふるまう必要はないわけで。
それに対して「薄情だ」とか「冷たい」とも思いません。
ごく当たり前のことですよね。
私が逆の立場でも、きっと同じようにするでしょう。
人間関係とは流動的なもの。
生まれるものだし、変わるもの。
続くものだし、消えるもの。
そう気づかせてくれたのが、今年の20枚の年賀状でした。
今後は「続くつながりを大切にしたい」

退職して、年賀状が一気に20枚に減った私ですが・・・。
中には、温かい年賀状をくださった先生方がいました。
「今までお疲れ様でした。」
「新しい道での活躍も応援しています。」
こんなお言葉をかけてくださるなんて本当にありがたいですよね。
先生方だけではありません。
子どもたち、保護者、地域の方、友達、同期。
さまざまな人から労いのメッセージをいただきました。
退職を機に、年賀状は私の「人間関係の良い断捨離」になりました。
だけど、残ったつながりもあります。
まだ続いているつながりだってあります。
これからは、こういうご縁を大事にしたいなと改めて思います。
やみくもにたくさん年賀状を送りつけて、交友関係を保とうとしていた昔はやめて。
本当に大切にしたい絆を、大事に育んでいける私になりたい。
もちろん、今年も年賀状書きますよー!
いただく年賀状の枚数は、もうどうだっていいので(笑)本当に書きたい人にだけ丁寧に心を込めて送りますね。
量より質が大事ね。