元小学校教員のわこです。
人によって、幸せの基準は違う。
人によって、大切なものは違う。
それは十分に分かっていたつもりの私。
でも、最近
本当にさまざまだなあ。
と思うようなことがありまして。
そのもやもやを、この記事を書くことで消化させたいなと思います。
健康よりも大事なものって?

Tさんは、教員時代の私の大先輩です。
50代後半で、養護教諭をされています。
このTさん、若い頃に胃がんになるなど、これまでにもたくさんの大病をされています。
そのため、子どもと同じ給食は一切口にされませんでした。
飲み物も自宅から持参した特別な飲用水。
玄米生活とヴィーガン主義を徹底されています。
養護教諭ということもあってか、健康には人一倍敏感に気をつけておられました。
私たち周りの同僚も、Tさんの気持ちを尊重し、様子を見守っていました。

50代になると、以前に増して病気がちになられ、たびたび入院するようになりました。
繰り返される病休と休職。
周りの誰もが、
学校という過酷な現場でTさんが働くことがもう難しいのでは・・・
と思って思っていました。
しかし、Tさんから発せられた言葉は、意外なものでした。
私は定年まで絶対辞めない。
定年退職することが、私の名誉のすべて。
どんなに病気になっても、健康より定年退職の方が、はるかに大事。
定年退職という名誉が、切実にほしいTさん

Tさんの想いを聞いて、私はとても驚きました。
だって、Tさんは養護教諭だし、
誰よりも「健康の方が大事」だと考えていると思い込んでいたからです。
自分の命より、定年退職する名誉がほしい。
これが、Tさんの本音でした。
50代後半ということもあり、定年まであと少し!という気持ちもあるのでしょう。
それに、これまでたくさん病気をしながらも
ここまで辞めずに食らいついてきた執念
みたいなものを、Tさんから感じ取りました。
「60歳まで勤め上げたという名誉」
のために、Tさんは今も現役で勤務されています。
人によって「大事なものが違う」のを認める

病気をして退職した私なんかにしてみたら、
大事なものってない!
と思うのですが。
世の中には、さまざまな価値感があって。
自分の命や健康より、手に入れたいもの、守りたいものってあるんだなと
ある意味勉強になりました。
もちろん、私は私の価値感を変えるつもりはないし、自分の退職を後悔することは1ミリもありません。
でも、私の考え方がすべてではないですものね。
お金、家、土地、家族、肩書き、名誉・・・
人それぞれに大事にしているものがあって。
それは誰にも非難することはできません。
それでいいのだと思います。
みんなが、自分の意思を大切にし、自己実現に向かってがんばればそれでいいですよね。
この記事を書きながら、Tさんに対して感じていたもやもやが晴れてきました。
私も他者理解がまだまだですね!
Tさん、学びの機会をありがとうございました。
他者理解をもっと深めたいな。
